about map e! yumenikki  nikkihito) インデックスへ

2010年05月27日(木)

 安全に道を進むために先頭を行く一行はまず観覧車に乗って窓を開けて双眼鏡で街を見下ろし敵を見つけては小型の銃で撃ち殺していく、続く団体はカタツムリの殻の中に入った薬で敵を眠らせる、最後の人びとは身を寄せあってびくびくと進む、さまを行ったり来たりで見つめる。あるときは先頭集団にいてうっかり銃を地上に落としたし、真ん中の団体で足りなくなった薬を調合したりもした。最後の組にいるときは、目をつむれなくなった女の子だった。罪悪感を持つのは最後の人びとだけだ、前のふたつのグループはただ楽しい。


2010年05月28日(金)

 夜の校舎に集う。3階の女子トイレから見る月が一番まるくて奇麗。月を見ようと開けた窓だったけれど向かいの校舎の人びともよく見えて、みんな白く光りながら騒いでいる。空間列車で働かなくちゃ空間列車で働かなくちゃと歌っている。戻るのがめんどうだと思いながら聴く。
 くうかんれっしゃではたらかなくちゃ
 くうかんれっしゃではたらかなくちゃ……


2010年05月30日(日)

 渋谷のビルにかなり大きな蝉たちが張り付いて鳴いている。透明な羽の蝉だ。わたしアブラゼミがいっぱいいるところから来ましたと言うけど誰も信じない。てんとう虫も同様に大きい。
(そういう世界なんだろう。)
 虫に触り慣れていない友だちが撫でようとして潰してしまう。白いワンピースが黄色くなる。この虫死んじゃったの、と友だちが不安そうなので、こういう進化の仕方をするんですポケモンみたいに、と慰める。次の進化のためにと言って死体を土に埋める。土を盛るうちに坂道ができて坂道の奥の方に敵の団体が見える。
 私たちは青いヘルメットだけれど彼らは赤いヘルメット。土色の坂道が気に入らなかったようで赤メットのひとりが決闘を申し込んでくる。普段は刃物や毒物を使えるけれど決闘のときに使える武器は文房具までで、それでおこなわれる殺し合いは残酷だから気分が悪い。喉が渇いたと言う友だちのために杏のまるまる入った飴を投げてやる。


2010年05月31日(月)

 そろそろ洗濯するかと思って洗濯機のぞくとたくさん服が入りすぎていて動きそうにない。二回か三回にわけようと上のほうの服から取り出して行く。やたら長い服が多くてずるずるとひっぱるのに苦労する。どの服も湿っている。全部の服を取り出し終えるとみそ汁の匂いがする。
 もう寝なさいと母の声が言うので子供部屋に向かう。みそ汁が食べたいけれどあれは大人向けのみそ汁できっと子どもは寝る時間なのだ。姉はすでに布団に入っている。足下にはたくさん猫が待機している。布団にもぐりこむと猫たちのうち一匹がのそのそと枕元にやってくる。耳が黒い他は真っ白の長毛猫だ。あまりにツンと臭うので私は眠気を忘れる。姉にこの猫なんなのときくと母が飛んできて一番臭うけれど一番おいしい猫で名前はアルトだ、と教えてくれる。納得したがもう眠たくない。友だちのメールでセブンのデザートが安いと知った、外に出る。