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2010年05月19日(水)

 廊下には渋谷みたいな大きなスクリーンがたくさんあってどれも同じ映像を流している。セーラー戦士たちが数人ずつ、または一人ずつ現れては君が代を歌う映像。先生は冷たい抹茶を入れてくれてそれはとても美味しいのだけど(だからこそ)、スパイの容疑をかけられてますよと言い出せない。


2010年05月20日(木)

 家に帰ると父母は出かけていて、とても静かだ。台所では妹が眠っている。姉は音を立てずに食器を洗っている。私はフライパンに残っていた何日前のかわからないピラフをスプーンでがりがりやって小皿に載せる。その音で姉と妹も私に気づく。姉が振り向いておかえりと言う。妹は目をこすりながらお腹が空いたと言う。自分の部屋に何か食べさせられるものがあったかもしれんと思って妹の手をとり廊下を渡る。
 部屋は白くて整然としていた。本棚にバッカーノがなくて悲しくなる。どうしてなんにもないんと訊くと引っ越しするけんと妹は答え、奥の扉のほうに走っていく。妹が扉を閉めてしまう。遠くて追いつけなかった。私は自分たちが入ってきたほうの扉に向かう。
 壁に目をやると格子のように日焼けの跡があって、それ以外の部分には全部写真を貼ってたんだったと思い出しゾッとする。扉を開けると非常階段しかなくて、ああみんな引っ越してしもた。


2010年05月22日(土)

 学校中の鏡に湿った紙幣を貼っていく。


2010年05月25日(火)

 姉がたくさん弁当を残すようなのでもらう。私の弁当もまだ残っていたけど、たらこご飯をもっと食べたかった。姉は私に弁当を渡すと友だちと二人で舞台にあがって歌いだした。姉は最初、まだ弁当のことを気にしていたようで元気がなかった。しかし私の隣に座っていた小中学時代のともだちがおいがんばれよと陽気に言うと、たちまち元気になった。あまり覚えのない曲だ、と思う。しかし知らない歌ではないのだろうね、みんな合わせて歌っているし。
 でも私はよだれが止まらないから歌えない。


2010年05月26日(水)

 ゴールが近いけれど、みんな疲れている。道の脇には芥子畑があって、友だちのひとりがそこに倒れこみ、そのまま眠ってしまう。小さく丸まって少女になった彼女はなかなか目覚めそうになかった。私はお姫様だっこをしてその友だちを運ぶ。
 やあ、体育館までなんとか歩いた。足が痛い、もう友だちを抱えては歩けない。体育館の中には迎えにきた人たちがいっぱいいて、中央には白いゴールテープが引かれていた。友だちを起こそうと揺さぶる。みんなで一緒に歩いてゴールしたいねと言う。私が抱えてだなんて、だめだ。みんなで歩いてゴールするの。友だちが目を覚ます。すっかり回復して元気になった少女が駆け出す、のをみんなが追う! みんなが中央のテープを切る! 遠くにうれし泣きの声をきく! 私は足が痛くて動けない。