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2010年07月15日(木)

 帽子をかぶった知らない大人と手をつないで立っている。自分は少女ではなくて少年だから大丈夫だって思う。床はコンクリート、水は足首まで溜まっていた。光がどこにあるのかわからないけど水面はキラキラしている。周りには地蔵がいっぱいあって、どれも顔が削れている。


2010年07月17日(土)

 円卓をかこんで自分の前に置かれた電話が鳴るのを待っている。私にかかった電話は幼なじみだという女の子からのものだった。でも私はもうすぐ二十歳で、女の子はせいぜい小学校低学年という風で、幼なじみ? なんだよそれ。後ろから女の子の手が伸びてきて、目隠しをしようとしてくる。でも女の子の手は小さすぎてそれができない。丸くて白い小さな掌に、短い指がちまちまと生えている。サンショウウオの手みたいだ。


2010年07月18日(日)

 修学旅行先で占いの館に入ると占いのお姉さんはもう部屋中体中を金色と透き通った青色で飾っていて、儲かるんだなあ、という感想。右の道に行くがいいよと言われあわてて裏口から出て右に進む。歴史記念館と書いてあるけど教えられた通りそこは迷宮です。
 私たちはそっと迷宮の扉を開ける。白い箱っぽい外観に対して中は洞窟のように土色でごつごつだ。横並びに手をつないで進んでいたけど途中高い壁があるので手をつないでいられなくなる、三人ずつとか二人ずつとかに分裂していって最後はひとりになる。ひとりで迷宮を進む。おおいと誰かの声がする。たくさんの声がする。誰なんだお前は。広い空間に出るとおもちゃみたいに青く光る泉に向かって台詞の練習をしている子どもがいる。うまく三回言えたら商品がもらえるらしい。なら私も挑戦しよう。子どもの台詞を注意深く聴くけど何語なのかもわかんない。


2010年07月19日(月) 1

 商店街は濡れたみたいな鮮やかさ。交差点に人びとがうわっと集まっている。商店の屋根に赤いふわふわのワンピースを着た白い鳥の着ぐるみを着たひとが踊っていて、みんなそれを見ている。人びとは着ぐるみに向かってはやし立てていて、着ぐるみはとうとう飛び降りる。せいぜい二階の屋根くらいで、高さはありません。しかし道路には車が行き交っていて着ぐるみは撥ね飛ばされる。群衆に向かって飛ぶ。群衆は手を伸ばして着ぐるみを胴上げするみたいにして車の方にまた持って行く。というのを繰り返していた。瑞々しい色たち、溶け合っていた。


2010年07月19日(月) 2

 右の膝の内側がパカッと割れる。血は出ないし痛みもないけど赤い裂目にらたらジーンズを挟み込んで鬱陶しい。床は緑色でふかふかとして、すべて曲線でできた建物に暮らしている私たちだ。建物内の病院でパカパカする膝を縫ってもらう。