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2010年07月07日(水)

 どこかの町の川はどんどん濁ってだめだ、町中からミミズを見たことのある子どもたちが集められて川にミミズが生きているかを探る、という番組を見ている。子どもたちは大ミミズを見つけて、しかし大人たちはそれを見つけられないから子どもたちを嘘吐きだと罵る。橋の上で子どもと大人とは喧嘩になる。
 ああ、テレビ画面越しでなく、それを見ている。
 ボブカットの女の子が唇から血を出して、あわててそれを手で受け止める。大人たちは血が怖くって近づけない。溜まった血を川に捨てるとたちまち川が赤くなる。私たち子どもは逃げ出す。校舎を消灯しつつ走る。どんどん暗くなる。でも下駄箱まで行けば外は昼まで、小学生たちは赤いボールを空中に浮かせる実験をしている。私たちは手を振り合い、それぞれの帰路につく。私は裏門に向かう。みかんでキャッチボールをしているのが飛んできたので、取ってやる。


2010年07月08日(木)

 姉と一緒に夜テレビゲームをしていて、気づいたら朝の8時になろうとしている。明日っていうか今日2限じゃんちょっとでも眠っとくと言ってまだゲームを続けるらしい姉を置いて階段を降りトイレに向かって、そういえば今日は月曜じゃなくて土曜だ休みじゃんと気づく。


2010年07月10日(土)

 真夜中にスタートだ。全員に小さな丸い機械が渡される。画面は光る。地図がうつる。地図上に黒い点がある。黒い点の位置はみんな違う。その場所に行って一番大きい丸ボタンを押すと指令が下る、それかヤなことが起きる。指令が下った場合、それを果たすと、そのご褒美になにかもらえる。ヤなことが起きた場合は、その埋め合わせとしてやっぱりなにかもらえる。最初黒い点の場所に立った友だちは朝まで鼻血が止まらなかった、それで金色のネックレスをもらっていた。歌い出さなければならない場所、斬りつけなければならない場所、など、指令はたくさんある。みんな3回チャンスがある。最低1回はこの一番大きい丸ボタンを押さなければならない。
 全員で行動して、ひとりずつ順番に指令を終えようと言っていたけど、そのうち各自やっておくように、になる。画面にはみんなのクリアした指令数もうつされる。私は0個だ。どこかで爆発と悲鳴がきこえるけど、私たちのグループの人ではない。私たちはまだみんな生きている。みんな生きてて、みんな指令を2個、3個と終えていく。このままだと死ぬの私なんじゃないかと思う。1個もやらないのなら、ルーズリーフ一枚分のコントを用意しなければならない。ああ、それはそれでめんどうくさいなあ。黒い点の位置は校舎の真ん中で、爆発にうってつけだ。みんな、もう時間切れだしやめてもいいって、とか、どうせ東高体操をしろとかそんなんだよ、と口々に意見する。私は、死んでもいいかどうせ夢だし! と思って校舎の真ん中にたち機械のボタンを押す。すると人間たちが出現して窓枠に腰掛けだす。そこにある8個の窓全てに。私は人間たちの背中を押していく。下のほうで悲鳴がする。私はみんなを見て、爆発しなかった、と喜ぶ。みんなも、やったね、と喜んでくれる。信号渡るときの通りゃんせが聴こえだして、なるほどこれがご褒美か。


2010年07月12日(月)

 あきらくんすすめって唱えといてって言われたから五階の窓から身をのりだして叫ぶ。体育の授業に遅れた何人かで。校庭では子どもたちがうようよとしていたけど整列しだして、一人だけ列から外れた子どもはナイフを持っている。ナイフの子は列の子たちを左から刺していく。でも私たちのおまじないの効果か、刺された子どもたちはひとりも死なない。胸ポケットにやらかい石けんが入っていて、ナイフの子は丁度それで心臓をさしたつもりになっているようだった。ナイフの子が列の一番右の子の石けんを刺し終えると、子どもたちはまた校庭をうようよしだす。
 そうだ授業と思って階段を駆け下りるけど一階についたところで先生と遭遇して、会議があるから戻りなさいと言う。きっと殺人についての話だ。階段を上りなおす。階段は一段一段が板きれになりそれが天井から吊るされてできているものに変わる。揺れて揺れてのぼりにくい。板きれと板きれの隙間から夕焼けの橙がかっかとしているのでさらにのぼりにくい。五階までやっとのぼりきる。窓の外を覗くと外にはなんにもなくて、真っ白だ。真っ白の中に橙色、赤色、だけがにじんでいる。


2010年07月13日(火)

 一面にできあがった水たまりが青いので向かいの空き地に空が現れたように見える。マンションの三階から青い空き地を見下ろして、引っ越しの準備を手伝ってくれてる友だちに写真を撮ることをすすめるけど当然目で見たほうがきれい。だから写真は撮らなくていいね。でも空き地の遠い塀に何かがよじ上って、空き地内に入ろうとしている。熊だ。これは写真を撮らなくちゃね! 熊は空き地の青の中をあっという間に移動する。跳躍種なので腕が大きい。跳躍種なのでここまで来れるかもね、危ないね。ベランダから部屋の中に入って窓の鍵を閉める。あっというまに跳んできた熊はベランダをうろうろしている。私たち(私と姉と母と友だち数人)は輪になってゆっくり歩く。本はみんな引っ越しのために段ボールにまとめちゃっていて、確か『熊と私』っていう熊が出たときに丁度いい本があったんだけれど見つからない。熊はベランダと部屋とをしきる薄い窓にしきりに体当たりをしてくる。