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2010年07月01日(木)

 子どもたちになって神社へ続く階段をのぼる。どうやら大人の階段なので、鳥居につく頃にはみんな大人だ。鳥居をくぐれば子どもに戻れるけれど、そしたらずっとその中で暮らさないといけない。私は鳥居の前で回れ右して階段をおり、街に戻った。街についても大人のままだ。友だちの何人かも同じく街に戻った。階段は急な下り坂になっていき、下の方には海が見えた。釣りに行こうと駆け出した。
 子どもに帰ることを選んだほうの私たちは神社の中へ中へと進んだ。内側はどこかの広い公民館と言ったていだ。子どもたちはおしゃべりしかしない。イはロのことが好きだったとかそういう話ばかりだ。自分の打ち明け話をする子もいた。みんな過去形で話すのは、これからは昔のことを忘れてずっと無欲な子どもとして生きていかなければならないからだ。それを恐れた何人かは神社をこっそり出ようとして死んだ。どんどん忘れっぽくなって、そのうち幸せにもなった。(子どもたちはもはや一人称を持てなくなって、私は外から彼らを見ていた。)
 心の奇麗な子どもから順に羽が生えて、小さくしぼんで、窓から飛んで行ってしまう。


2010年07月02日(金)

 左手で開いた傘を支えて右手では閉じた傘を引きずり、どちらかの手はこの前とれたはずだがどっちだとにかくどっちの手も傘を持ってる、これが幻肢ってやつかな、と考えている。一緒に馬場歩きしている友だちに意見を求めるけどパッとした答えはない。まあ夢だしいいかと思う。


2010年07月03日(土)

 姉の留学費用が1000万くらいするとわかって家族でぎすぎすしている。ああどうなのって思ったら隕石が落ちてみんな分裂するのでそれどころじゃない。小学生のころのみんなが沸いてきてマンションに爆弾をしかけようと必死だ。蹴り倒して行くけどみんな過去だし死なない。家の鍵を全部閉めるけれど小学生たちも必死なので侵入してくる。チョコエッグ爆弾で窓を割るのです。なんとか追い出した後に本棚にチョコエッグ置いてあるのを見つけて姉に捨てといてと言う。中にいるのは蝉だよ爆弾じゃなくてと姉が言う。言って爆発する。でも死なない。たぶん私たちももっと老いた自分から分裂した過去なんだ、と思う。
 小学生は小学生で団結しだしたように、大学生たちも集まりだす。外に出ると田んぼには厚く雪が積もっていた。どうにもおしまいみたいだ。


2010年07月04日(日)

 向こう側のプールサイドにアイスクリンの屋台がある。制服を濡らす訳にはいかないので、プールの中の後輩たちに支持してビート板を配置、その上を渡って行く。丁度真ん中あたりでぼちゃん、となると遠い底の方に東京があるので遅刻してはいけないと手で水をかいて進む。


2010年07月06日(火)

 自動販売機には2リットルのものもいくらか売っていて、その中に「やはらかソフホーズ」というのがある。薄めて飲むコーヒー飲料らしい。紙パックに入って570円。気になったけれど電車がもう行きそうなので、通りすぎる。遅れたらお土産がもらえないのです。
 次の次くらいの駅でサラリーマンが二人乗り込む。うちひとりが車内に「座席を切りつけないでください」の貼り紙がないことについて熱心に語り始める。二人の会話はだんだん口喧嘩になり熱心なほうが胸ポケットに持っていたカッターで座席を刺す。するともう片ほうの腹が裂けて紫の液体が染み出てくる。車内は騒然とするが紫の液を垂らしつつ彼は冷静でただ生理なので女性のかたはナプキン持っていたら貸してくださいと言う。私はキョロキョロとして隣の車両にみんなを見つけ、なんだ待ち合わせは向こうだったかと移動する。