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2010年11月11日(木)

 UFOキャッチャーをしている。ポケモンのぬいぐるみがほしかったけれど私は取れなかった。だけど後輩がとても上手で、ポケモンのぬいぐるみもイヤホンもハンバーガーの形のCD入れも、なんでも取っていく。しまいにはUFOキャッチャーの中が空っぽになる。なんか取るもの入れてくれませんかねって店員さんに頼む。まだ研修中のその店員さんはすごく動揺してしまって可哀想になって、やっぱいいですと謝る。店員さんは黙って頭を下げながら非常口に向かって、みんなは馬鹿なことはやめろと叫ぶ、でも店員さんは白鳥になって飛ぶ。そのあとベテランの店員さんがやって来て、UFOキャッチャーの景品全部を取ってしまうのは配慮がたりないと叱られる。人のものを盗るのと同じだと言われる。私と友だちは才能がそうさせるのだからしかたがないと後輩を擁護する。店員さんは悲しい顔をして去る。まだ夕焼けのころなのに店内には蛍の光が流れ始める。UFOキャッチャーの真ん中にベテラン店員さんの肩から上が出現して、神は俺には才能をくれなかったよと言う。私たちはお腹が空いてしまう。後輩たちが不要なチラシを水につけてやわらかくして、配ってくれる。


2010年11月12日(金)

 運動場で待っている。みんなまだ音楽室にいる。私と数人がいちはやく雨が止んだのをとらえて外に出たのだ。私の右手には青い金属がある。楽器はもう扱えないけど、これだって叩けば音がする。みんなが窓の外の私たちを見て手を振る。降りておいでと言いたいけど声がでない。隣の友だちが大きな声でみんなを呼ぶ。呼ばれたみんなは窓に群がって、そしてわらわらと落ちだす。3階の窓から。私は焦るけれど周りの友だちはみんな慌てたりしない。
 知ってるからだ、大丈夫だって。
 窓から落ちてくるみんなは楽器を大事そうにかかえて、ゆっくり、きれい。


2010年11月13日(土)

 みんなで宇宙を旅してまわっている。モップに似た掃除道具があればどこにでも行ける。また、その白い棒の先に黄色いふさふさがついた道具でいろんなところを磨くのが私たちの仕事だ。この世界では発した言葉が跡に残るから、それで汚れた部分をきれいにしていく。どの星にも権力者の大きな建物があって、磨くのはそういうところだ。ある星では私たちは人魚と呼ばれるし、別の星では仕事人と呼ばれる。私は掃除中、だいたいブルーハーツの曲を流している。悪口や独り言を消させる人もいれば、染み付いた愛の言葉を無くさせる人もいる。


2010年11月14日(日)

 向こうには料理がたくさん置いてある、こっちには薄く焼いたパンが積まれている。パンの表には料理の名前がチョコで書いてある。食べたい料理の名が書かれたパンを見つけて、裏に蜂蜜で自分の名前を書いて出せばうまいこといくのだけど、料理の名前を見たところで、どんな料理なのかさっぱりわからない。困る。


2010年11月15日(月)

 ラジオ体操の音楽に起こされて駐車場に向かうと、みんなもうきれいに整列している。右端の列のいちばん後ろに加わる。ちょうど練習が終わったところらしく、なんとか本番には間に合った。でもみんな「新しい朝が来た」のところを「今日も明るい朝が来た」と歌うのでやりづらい。