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2010年11月16日(火)

 学校全体での絵の大会にエントリーする。最初の課題は写真を色鉛筆で模写すること、次はビニールテープに模様を入れること、その次が水彩画。でも私は一枚も描かなかった。ぼーっとしてたら先生に、ぼーっとするんなら教室からぞうきん持ってきて、と頼まれる。だから体育館を飛び出して、緊急の用があるかたは土足OKと書かれた入り口から学校に入り、もちろん土足だ、それで階段を三階まで駆け上がる。途中でやっぱり大会をさぼっている友だちが、恋人が勝手に卒業してしまったと嘆いていて、しかし私はぞうきんを取りに行かねばならない。
 ああ、三階がこんなに遠いとは。教室の扉の前についたころには私の腕は乾涸びて小さくなっている。かまわない。扉を開ける。窓際に老人が二人いる教室。入って、直進、そのままベランダに出る。ベランダには薄汚れたぞうきんの山があって、どれを持っていけばいいんだろう。戸惑っているうちに老人の数が増えていて、彼らも本部から派遣されたらしい。老人の指示を受け緑っぽいぞうきんを選んで教室に投げ込んみ、老人たちにそれを運ばせる。
 仕事を終え、友だちと一緒に体育館に向かって歩く。友だちは虫を食べたせいで体内が虫になった話をした。体育館に着くと乾涸びた老人たちが紙のように千切られ捨てられている。絵の大会も終わっていた。先生や優勝者にあいさつするのもつまらなくて教室に戻る。私はメールで絵の追試を受けることが決定したと知る、でも教室には数学の追試を受けるみんながいるから寂しくない。
 そして父と母の話し声で目を覚ます。母は私を褒める。近所の喫茶店を評した私の言葉がどんなにすばらしかったか。父はそれをきいて嬉しそうにうなずいている。二段ベッドの下の段に横たわりながら幸福だった。母がその気配に気づいて起きているなら朝ご飯ですよと言う。


2010年11月17日(水)

 土砂降りの雨で町はつめたい。毛布をかぶって歩いている。長く歩いたけれどそんなに疲れなかった、筋肉痛にはならないだろう、と思っていると上のほうから声がして、見上げると父がいる。いろんな形の機械でポスターを刷る実験をしてると言う。はやく帰ってきてほしいから、手伝う。


2010年11月18日(木)

 深爪してしまって痛いから一年前くらいにこぼしてそのままになっている水をまだ拭き取れない。あわあわしていると閉館の時間が来てしまっていてあわてて階段をおりていくのだけど自動ドアが自動では開かず、警備員に止められて、学部とサークル名を訊かれる。


2010年11月22日(月)

 猫がやたらと手を噛むので右手が真っ赤になる。緑の着るとクリスマスになるから気を付けなと姉に言われ、着るのは灰色のワンピースにして、家を出た。道路には黒いピカピカの車が等間隔で走っている。車の黒に自分の顔をうつし、荒れた唇があんまりだからリップクリーム買おうと思う。しかし道沿いのコンビニはすべてセルフうどん屋になってしまっていてリップクリームの買いようがない。
 雨が降りはじめ、溶けた地面がべちゃべちゃと歩きづらい。下駄という選択も間違いだった。家に電話すると父が出て、いまは白菜売りが来てて車は出せない、と言う。


2010年11月23日(火)

 天井をぜんぶ星空にできないかなと会議で言っていて、数人は議論に夢中だ。私たちは夢中でないほうの数人で、ココアにチョコレートを溶かしてより甘く甘くしていっている。