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2012年04月27日(金)

 くすんだ赤色と黄色で塗られたほこりっぽい階段を上からどんどん掃除していく。みんなで怪談話をしながら。途中に部屋や風呂もあるのでじゅうぶん生活できる場所らしい。この部屋で麻雀をするとまわりから幽霊の笑い声がするんだと先輩が言う。私はワセ弁を買ってくる。階段を全部おりて買いに行ってまた階段をのぼってみんなに渡すころに、弁当は冷めてしまっているだろう、途中の小屋のレンジで温める。爆発するみたいな音がいっぱいした。弁当の蓋をあけるとミカンが焦げていた。でも美味しい。後輩はかつてこの山が崩れたときの話をする。
 山にはたくさん水路があって、入学式が山の上の体育館で行われていた。校長先生の長い話のあいだに体育館の床が抜けて、生徒はみんな流されてしまう。上からどんどん崩れて、お姫様はパラシュートで脱出したけど結局は墜落死した、という話だった。いまこの山は煉瓦製だ。


2012年04月29日(日)

 黒い影がゆらゆら私たちのまわりをうろつくようになって数日経つ。彼らに名前を知られてはいけない。背中に嘘の名前と嘘のプロフィールを貼ってすごす。私の場合、「兵藤夏奈、岐阜で生まれ育つ」。貝をいっぱいとって表彰された友だちのお祝いをするときも、友だちの嘘の名前を祝うということになった。
 川はほんとうに澄んでいて、足下にずっと透明なまま広がっていた。水の中でも目を開けれたし、息は止めたままで平気だった。水底までもぐって黒い巻貝を拾った。貝の中には鮭色のおいしい中身が住んでいる。水から上がると浜辺がある。二本足の大きな貝が歩いていた。
 家に帰ると母が味噌汁とご飯とおかずを用意してくれていた。私は食器を準備する。何度かノックの音が聞こえたけど、新聞屋さんはこんな時間には来ないからあやしいと思ってほうっておいた。友だちが襖を開けてやって来て、約束したのに出ないのは酷いと言った。友だちも含め、みんなで一緒にご飯を食べる。味噌汁の中のアサリに小さな蟹を見つけては喜んだ。友だちは敵を倒した話をした。
 友だちの話の中に入る。
 馬の胴体だけに無数の顔がついた化け物をまず倒した。エレベーターまで行くと、エレベーターに乗るかその横の雑魚っぽいボタンの集合を倒すかの選択をせまられた。当然雑魚っぽいのを倒そうと思った。それを選ぶと画面上に「セーブしなかったことを悔やんでください。この戦いは長くなります」と書いてあっておののいた。でも鉄のボタンたちは金魚を降らす魔法であっけなく死んでしまった。それでやっとエレベーターに乗って、ここに来た。