2009年12月12日(土)
合宿で梅津寺パークに行こうって話になる。行ってみると潮風からパークを守るためみたいな理由で、パーク全体が薄い金属で覆われていた。私はみんなに、以前はこんなじゃなかったと必死で説明する。薄い金属にはところどころ穴があり、そこから金の光が射している。みんながそれを褒めるので安心する。
最初にジェットコースターに乗る。今は覆われているとは言え、長年潮風にさらされてきたそれは、錆び付いた音をたてて走る。そこが怖くてよいとみんなが言うので嬉しい。ジェットコースターの一番高い地点で、ちょうど天井の穴が覗ける。よく晴れた日のはずだったのにそこから見えるのは灰色でえって思う。
次に観覧車に乗る。やたらと鮮やかな観覧車。また高い地点で穴が見えるので、今度はみんなで覗く。灰色だ。ざわざわしたら観覧車止まる。観覧車が止まったので友だちが扉を開けて鉄骨をのぼり、穴のすぐそばに行く。私たちはがんばれって応援している。友だちはうなずいて、天井の穴に手を伸ばす。薄い金属はもろもろと崩れて、光が私たちの目を打つ。
誰かひとりが「虫だ」って叫ぶので、怖がる私たちは目を開けられない。
2009年12月13日(日) １
暗い倉庫でいろんな人の自主制作映画を観ている。クロッキー帳が配られて、各作品への感想を書きなさいという宿題。みんななに書こーって騒ぐ。私は友だちと一緒に、意外とおっぱいとか少なかったネって言いながら、ほとんどのページに裸婦書いた。
2009年12月13日(日) ２
基礎演習の先生がツイッター始めたので、フォローする。青い正方形に紺色で大きく名前を書いたアイコンと、優しげな文面に驚く。向こうもフォローしてくれたので、露文行くことに決めましたってツイートすると、お前モスクワ行くのはたいへんだぞって返事をくれた。
地下鉄に長いこと揺られ、寒い駅に着く。別の電車が待っていて、やあシベリア鉄道かと思うと金持ちばかり乗せて去ってしまう。ガイドのお姉さんがまだ練馬区ですと言って、小さいバスを呼ぶ。せいぜい８人乗りと思われるバスに３０人で乗って、これがモスクワ行きの辛さか。
2009年12月14日(月)
宿題を提出しなきゃだけど、リップクリームをなくしてしまったから入れておいた記憶チップもどこにあるかわからない。しようがないのでアニメ顔のお姉さんに教わって手書きする。個室で作業し、そこを出るときはやらかい扉の下の方からまず顔をヌッと出す。見た目怖い。
2009年12月15日(火)
小学校で宝探しごっこ。そしたら夜になって私たち校舎に閉じ込められる。探せど探せど怖い人形しか見つからないので、どんどん階段を上る。屋上に出た。下には東京のイルミネーション。「落ちたら死ぬ？」「歩けるよ、光だもの」。つぶつぶの光の上を歩いて流れ星を追う。
2009年12月16日(水)
母と手分けして団地のお風呂屋さんめぐりをする。私は2件見つけた。一つは有名どころで、もう一つは老舗のさびれたところ。久しぶりに入る色付きのお湯に感動する。水の中に潜って、出れば大河で、子どもたちみんなで死体探しをしていた。
2009年12月17日(木)
集団下校をする私たちの列に知らない女の子が紛れている。私たちと同じ制服を着ていて、私たちのうち一人と入れ替わったに違いなかった。でもその女の子の代わりに消えたのが誰だかわからない。ああそんなものだったのか、と思うと悲しくてしかたなくなる。