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2009年12月18日(金)

 高い壁があるけど天井はない。暗い廃墟です。月が床に溜まった水にきらきらと反射している。子どもは大きな縫い針を持って、月明かりを床に縫い付けようと狙っている。月がす、すと移動するのにあわせて、子どもはカエルみたいに跳ねる。それを見ている。
 みかんがつぶれるような音でそちらを見ると、子どももこっちを見ていた。はじめて目が合う。そして子どもの手元を見る。床に刺さった縫い針と、そこに留められてしまったきらきら。違う、光は留められていない。針の刺さった点から、水がどんどん赤くなる。黒くなる。血だ、と思ってもう一度子どもの顔を見る。子どももこっちを見ていた。再び目が合う。子どもは「嘘やけん」と言って走り去る。私は子どものいた位置に移動して縫い針を見る。血を吸って膨張した針。抜く。鍵だったようで床の隠し扉が開いた。中にいた大きな顔と目が合う。


2009年12月19日(土)  1

 長く伸びたたんぽぽを摘む。左手の親指と人差し指で花から遠いくきをつまんで、右手は少し花に近くする。右手をくりくりして花を回転させると、風が起こって飛べる。みんなで飛距離を競う。青空。


2009年12月19日(土)  2

 東京。サークルのみんなと海に近いお土産売り場にいる。愛媛の友だちが遊びに来る。ハモニカを交換し合うなど、みんなすぐに打ち解けるので嬉しい。でも少し寂しい。だって、ここは、こんな、東京、だよ。彩度の低い景色。


2009年12月20日(日)

 商店街の祭で神様についてのアンケートをしていて、サクラとして記入する。なかなか手が動かなくてまごまごしていると、後ろに長い列ができる。そうしている内にも水は膝のあたりまで来ていて、列になった人びとは前の人の肩を支えにやっと立っている。
 マヤ・クヴァルチーラは2階なので浸水しない。流れてきた子猫の世話を頼まれる。カーテンレールを走らせると、どんどん長くなるカーテンレール。子猫が私のほうに向かって走る。カーテンレールが迫ってくる。


2009年12月21日(月)

 倉庫の中に太いベルトコンベアふうがズラリと並んでいる。その全部に4人がけ×6列くらいの乗り物が付いている。絶叫マシーンなど。閑散としていて、一つの乗り物に乗り込むのは少数。発車したマシーンは帰ってこない。私は絶叫系が嫌で、おとなしいものを探している。係のお姉さんがやってきて、一つの乗り物が満員になれば○○モードが始まって、より楽しめますよと言う。ほぼ全員が一つの乗り物を選ぶのだけど、子ども二人が同意しない。私たちは、もう世界が終わるんだから楽しまなきゃということを必至で語りかけた。子どもは平気な顔。


2009年12月22日(火)

 大学に急がねばと玄関に向かうと、スニーカーの靴ひもたちがうねうねしていて怖い。手を伸ばすと靴ひもはささっと逃げて、冷蔵庫の下とかに行ってしまう。呼んでも出てこない。靴ひものなくなったスニーカーを覗き込む。小さいマネキンが横になって流れていた。