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2010年01月09日(土)

 大きな台風が来るので子どもたちを建物の中に誘導する。おとなたちは、煙草の煙を詰めた風船を膨らませる。子どもたちが連れて行かれないように身代わりにするのと説明された。風が吹くごとに風船が飛ぶ。風と雨には雪も混じるようになり、まだらの空。彩度を持った風船。ああ写メを撮ってパパとママに送らなきゃと思うけれど、風船を膨らますのに忙しくてできない。風船作りをやめてしまえば飛んで行くのは子どもたちだ。(しかし空に子どもも美しかろうとも思う)。


2010年01月10日(日)

 合唱のために集まった体育館だったけれど、舞台に並べられた楽器が気になるのでそっと隊列を抜け出した。コントラバスの近くまで行く。ネックがクラリネットになっていておどろく。吹くの弾くのどっちなのと思っていると、指揮者にそれ使わんからしまっといてと言われる。コントラバスとクラリネットのキメラみたいなその楽器を、とりあえず舞台袖に連れて行く。知らない後輩たちが輪になってミーティングをしている。外から大きな拍手が聴こえて、後輩たちは二列になって舞台上に出る。私もそれに続く。普通のコントラバスの横に立つ。コントラバスは私のために空けてあったらしい。楽譜を見ると、すとんと読める。弾けるなと思う。演奏が始まって、私も弾き始める。久しぶりに弾いたのに全然指が痛くなくて、これは夢だと気づく。
 夢ならどうだっていいです。ひとり舞台を降りると吹奏楽団も消えている。


2010年01月11日(月)

 ディスカスとエンゼルフィッシュの泳ぐ水槽がすっかり狭くなったから、大きい水槽に移してやらないといけない。新しい水槽をこれまでの水槽の脇に置く。魚たちを掌ですくって、またその脇におく。水から出た魚たちはピチピチしたりせず、床と平行に立っている。新しい水槽にカルキ抜きした水をいれて、水草など植える。
 さて魚をいれる。見ると魚たちは煮えかかった卵の白身みたいな厚めの膜に包まれている、やあ遅かったかと焦る。水に入れるとみな復活した。「でも人間で言うところの眼鏡が壊れました」と青いディスカスが言う。


2010年01月12日(火)

 渋谷を歩いていたら目的地の近くに人だかりができていて、見ると大勢の人が女子高生を取り囲んでいた。女子高生は脱皮の最中で、割れた背中からはよりきれいな女子高生が出て来ている。脱皮は服もろともなのかと思っているうちに、女子高生は古い女子高生を脱ぎ捨てている。
 女子高生は髪がしっとりからさらさらに変わったところで見物人をキッと睨み、右手に持った通学鞄で殴り掛かる。殴られた人びとはけむりみたいににじんで消える。見物していた人びとは一目散に逃げ出して、女子高生は落ち着いた足取りで高校に向かう。


2010年01月13日(水)

 悪と戦った。


2010年01月14日(木)

 木造の家。中心の螺旋階段で二階へ行こうとする。上って行くと細い足が横たわっている、緑がかった肌の細い二本の足、10本の指。私たちは自然と一列になって、動かない足を睨みつつ上る。少しすると関節がある。関節は膝です。次は太ももがあって胴体があって、を想像する。でも上っても上っても見えるのは関節ばかりの細い足。私たちは早足になる。二階にも到着しない。振り向くのも怖くなって階段を駆け上る。脇に横たわる細い緑の足からは、ずっと目が離せない。