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2010年01月04日(月)

 実家につながる広いデパートで半額の品々を見る。進めば進むほど気温が下がる。(この前殺人事件があったらしい)。気をつけて進む。床が大理石から土に変わる。かわいいルアーの落ちているを見つけて、次々に拾う。


2010年01月05日(火)

 閑散としたジャスコに友だちの誕生日プレゼントを選びに行く。本屋の棚の上に知らない猫がいてかわいーって言いながら近寄る。近寄ると猫が死んでいるってわかる。溶けている。早足に本屋を去るけれどかわいーって言わなければ猫生きてた気がして罪悪感。
 プレゼントは海老フライをでっかくしたデザインのバッグに決まる。会計を住ませたあと商品を受け取らずに出てしまって、あわてて戻るとレジが無人。無音。ゲームコーナーからかろうじて音楽が聴こえるので向かうと、真珠色のカルーセルが回っている。


2010年01月06日(水)

 仕方なくみんなプレハブの校舎に住んでいる。細かい雪がちらちらと降る夜にカーテンのない窓を覗けば雪なのか流星なのかわからない。ゆっくり流れる星と思いこんで願い事を三回、言おうとするのだけれど何を願えばいいかわかんない、焦る。


2010年01月07日(木)

 卒業式の前だから高校はごたごたしている。どの階でも掃除をしていて、廊下には古いパソコンがちらばっている。古いパソコンのほこりまみれの画面に指でデフォルメされたアルパカが描かれていて、後輩たちが私のところに来ては先輩の仕業ですねと言う。ほんとうは放送部のしたことだと知っているのでなんだか悔しい。
 弁当の時間に同じクラスの吹奏楽部員と、卒業式の会場にどうにか大きなアルパカを持ち込めないかを話し合う。窓の外を見れば黄色のクレーンと最近増えてきた手動鉛筆削り型の青い公衆トイレがある。


2010年01月08日(金)

 電車内はガラガラだった。向かいには知らない男の人が座っていて、思い出し笑いをしている。それはどんどん激しくなる。前のめりになって両手で顔を覆い、肩を細かく震わせるようになる。なにを思い出して笑っているんだろう、わたしたちは顔を見合わせ少しにやにやする。不意に男の人の笑いが止まる。両手が顔から離れた。顔には大きなくぼみができており、そこからずるりと子どもが出てくる。性別のわからない子どもは明らかな畸形で、赤色をしていた。子どもを産み出した男の人は、動かない。数少ない乗客たちは一様に子どもを見る。
 停車。
 髪の短い骨張った女の人が乗車する。やれこの女は畸形の子どもを食べる気でいる、と気づいて、私たちはその場面を見たくない。目的地ではなかったけれど、その駅で慌てて降りた。
 降りた先は学校の廊下で、いやに角度がついている。すべる。廊下を滑り降りると、靴底に粘土がこびりついている。見ると廊下には粘土細工部の小さな作品が並べてあり、それをつぶしてしまったようだった。気落ちする。英語の授業が残っていたが、教科書も持っていなかった。プレハブの校舎を揺らさないよう、静かに学校を出る。