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2010年01月27日(水)

 何人もで一斉にピアノを弾く試験。全然練習していなくてわからんので消音ペダル踏みながら隣のひとを見つつ弾く。高校のときの担任が試験監督のようで、困ったように笑いながらピアノの群れのあいだを歩いていく。試験監督=担任がはい終わりですと言うと、ピアノたちは足を生やして去る。なんも弾けんかったな悔しく思う。家に帰ったらコントラバスを取り出して練習しようとする。しかし母が料理を中断して入って来て、大学の試験がまだあるんでしょ、と言うので、ああそういう設定は普通に残ってるんだーっておもしろくなる。
 東京に向かわなくてはならない。
 東京に向かう路面電車の中でツイッターを見ていたら、隣に座っていた大柄な女性が、それ、トゥイッター、ですよね。あたしもはじめたんですよう。よかったら、フォロー、しあいませんか、と早口に言うので動揺する。動揺して知らない駅で降りる。県民文化会館に続く道のようだった。やれやれ県文行ってなにか音楽でも聴こうかと思う。
 道を行くと、法律相談系の番組の収録やってますの看板が見え、あっ、こっちに行こう、と切り替える。
 収録の現場に行くと、お笑いっぽい人、法律について詳しそうな人、アイドルという体の女の子がいて、みんなわりと離れて座っている。後から他のひとたちを合成するのだなと見当をつける。アイドルな女の子が自分の心霊体験についてキラキラした目で語っていて、法律詳しそうな人がそれに対してアドバイスしている。でも私はお笑いっぽい人の猫自慢に夢中だった。彼が両手に小さな子猫を三匹のせてゆったり撫でているのをじっと見ていた。
 収録が終わって観客がぞろぞろ帰っていって、私はお笑いっぽい人にかけよって、猫の写真撮らせてくださいと頼む。でも無理だって言われた。まあそうだよね残念帰ろうと思ったらスタッフの人が段ボール箱をたくさん持ってきて、今日もたくさん拾いましたと元気に言う。全部の箱に子猫が入っている。いろんな子猫がいる。白子猫、三毛子猫、毛の長い子猫、頭が三つある子猫、青いプラスチックでできた胴体が蛇のように長い子猫、いろんな子猫がいる。欲しかったら拾っていっていいよと言うので箱に入れて持ち帰る。
 帰りの電車はガラガラだった。
 猫拾った言うて家の中に入って姉と母が寄ってきて奥で父もどんな猫だと問うて私がとうとう箱を開けると、中からは何枚も何枚も気持ちの悪い柄のトランプがでてくるばかりで、かなしかった


2010年01月28日(木)

 平面みたいなのっぺりした世界。街灯の下にはことごとく黒いもじゃもじゃした塊があって、近づけば背の高い女だった。「話しかける」を選択すると、決まってどの女も「修行がたりぬ」と言う。どの女もそう言うとわかっているんだけれど、全ての女に話しかけていく。


2010年01月29日(金)

 会場は閉館間際、他校の美術サークルの展示会に行く。アンケートお願いしますの人たちから必死に逃げて細い道に入ると中学のときの友だちの展示がある。機械みたい。触れていいと書いているので触れる。がしゃんがしゃんと音がする、焦る。会場の天井が布みたいに波打ってバサッと飛ぶ。真っ黒い空が見える。すごい早さで月が空を巡回している。何週も。なにか音楽が聴こえる、蛍の光だ。係員の人びとがスーツを脱いで半裸になって、背中から羽を生やして飛んでいくので、私たちお客は手を振って見送る。


2010年01月30日(土)

 停電の空港でこどもたちが体中の関節を鳴らしながらパキパキとかたちを変えていく。


2010年01月31日(日)

 ネギ焼いて食べようと思ったら醤油なくなってて姉に出してって頼むとお弁当のあまりみたいな小さい袋の醤油を出してくれて、でもそれってたぶん餃子のタレだから冷凍庫にある餃子食べよう。その餃子はレンジタイプそれともフライパンタイプと母が訊く。確認のため台所に行くと父がホットプレートを準備してくれていた。家族でこたつを囲む。床にはいっぱい模試の過去問が散らばっていて、そろそろ進路を決めなくちゃならん。過去問ひとつを開いて見ると、いっぱい花びらがあふれてくるのでこれはだめなやつです、となる。他の過去問見てみると、空き地の横のまっすぐな歩道にいる。途中で曲がって海に行こうってなる。家々もまばらな埋め立て地で、そのうちまわりが工場ばかりになってくるのだけど海が見えない。不安になってきたところにタクシーが来て、きみおとうさんおかあさん誘拐されたよと言う。「きみ」ってなんだよ「きみたち」って言えよって思って悲しんでいると姉まで誘拐されていたようで困る。