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2010年03月15日(月)

 指でピストルのかたちをつくってバンって言えば相手のHPが減る。敵の頭の右上にはHPのバーが出るから、その細長い緑を頼りに、やつらを倒して進んでいく。


2010年03月16日(火)

 階段を降りると女が倒れている。額や喉など十数カ所が破損していた。顔を上げると野原が広がっていて、女の一部だった種はすでに花を咲かせている。私たちはたくさんの草花の中から女の欠片を探さなければならない。黄色い小さな花たちの中でうす青く光っているのがそれだ。花を見つけると、途中でちぎれないように慎重に引き抜く。根に青色の種がついている。この種が重要。
 しばらくして女の欠片を集め終え、もとの位置に戻していく。
 パズルを終える。女は目を開けて、一週間かかったね、と言う。一週間かかったのか、と私たちが思う。


2010年03月17日(水)

 都会でかくれんぼする。広い都会なので、鬼が全員を見つけられなかったときのために、何時にはどこに集合する、というのを決めておこう。でも全部同じような建物の都会なのでどこに集合するのかが難しい。わかりやすくなければならん。光るとか、音がするとか、と意見を出し合う。
 みんなで似通った道たちを行き来しながら目印を探す。スパンコールの服を着た女が、畜生! おまえが! といいながらまっさらな生理用ナプキンを踏みにじっているのを見つけて、これなら目立つね。あらかじめ決まっていたらしい鬼の子を残して私たちは散り散りになる。


2010年03月19日(金)

 水していて町は茶色い。黄色い傘と黄色い長靴の私たちは早く帰りたい。子どもは犬狩りを見たくないです。でもどの道にも保健所のひとがいて、泥の中を跳ねまわる犬たちを狩っている。大きな頭にそのまま下半身がついた犬が追われるのを見てしまう。悲鳴をあげる。


2010年03月20日(土)

 喫茶店に入ると薄暗い店内にはずらっと本が並んでいる。店主のおばあさんが、死んだ人のその後に会える本だよ、と説明をくれる。本たちを眺めていると、自分の名前が書かれたものを見つける。これはとおばあさんに訊く。いつかお前が入る本だよとおばあさんは答える。本を開くとどのページも白紙だった。丁度真ん中らへんに透明な葉脈が挟まっている。私の本の隣にあるのは知らない人の本だった。それはもう会える本だね、確かこどもの本だ、とおばあさん。その本を手に取る。知っている人の本を開くのは怖いと思っていた。
 知らない名前のこどもの本は、私の本と同じようにまっさらだった。しかしこれは白い文字で書かれている、という気がした。挟まっている葉脈も白。そして葉脈は変形して仮面になって、白い繭になった。繭は膨らんで膨らんでやがて背中がぴりぴりと裂け、中から出てきた白いこどもがハローと言う。