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2010年04月15日(木)

 二段ベッドのある部屋で、私は大学の入学式の、妹は高校の入学式の準備をしている。三年間着ていたセーラー服を妹にゆずる。スーツを買う暇がなかったから私は妹の中学のセーラー服を着る。腰に赤いリボンを巻く。部屋に何人もの人が入ってきておめでとうと言う。おめでとうと言っては出て行く。みんなスーツを着ていて、でも私はセーラー服なのでなんだか恥ずかしい。
 子供部屋を出てピアノ部屋に移動する。出て行ったみんなはそこに集まっていた。恥ずかしいのでうつむいてピアノの椅子に座り、ピアノに映ったみんなを見た。みんなのっぺらぼうのようで恐ろしかった。


2010年04月16日(金)

 渋谷を歩くとたくさんのひとが飴をくれた。一緒に歩いている友だちが、どれかは爆弾に違いないと言うので城のあるほうに向かい、全部の飴をお堀に捨てた。鯉たちがむらがって飴を食べた。どの鯉も爆発しない。


2010年04月17日(土)

 音楽室の床は発泡スチロールのこなこなしたのが積もって真っ白だ。私はその中をコントラバス抱えて進む。一番奥まで行くと階段がある。コントラバスを置いて、階段を降りて行く。その先にある商店街のアーケードは破れていたけれどあいだから青空がのぞくので気分がいい。商店街を歩いていくと舞台が見える。みんなもう集合しているみたいだ。私はコントラバスを連れてこなかったから観客としてそこにいることにするよ。ゆっくりしながらも陽気なシング・シング・シングを聴く。


2010年04月18日(日)

 電車に乗って国境を越える。買ってきた白い花束はやっぱり荷物になるために、車内で一番目立つ大柄なおばあちゃんに捧げることにした。おばあちゃんは嬉しそうに花を喰らって、残った緑の部分を私たちに返した。私たちは車窓からそれを捨てた。濃い海にちらついて奇麗だった。
 帰りは泳いで海を渡る。実際それが目的なんです。海にはホットケーキみたいな形の魚がたくさんいる。五匹以上が列になっているやつは獲っていいことになっている。先頭は一番小さい。列の後ろにいるやつほど大きい。一番後ろのやつを掴めば、魚たちを『運転』できる。私は七匹列になっているのを見つけて、最後尾の魚を掴んだ。すごい勢いでひっぱられる。海のおわる部分に網をしかけているので、それに誘導せねばならない。私が右手に力を入れると魚は少し左を向く。すると列も左に向かって進みだす。網に入った魚たちのうち、一番小さいのは逃す。私にずっと掴まれていた魚だ。それなのに元気なままで、感心する。
陸に上がると小学校が見える。ここは運動場だ。国境はまだ越えないので、こちらの国の風習にそった歩き方をしなければ。私たちは横並びになって肩を組み、力ないラインダンスのようにだらだらと歩く。


2010年04月19日(月)

 色のついた種だけ踏みつぶしながら通学路を行く。向こうから歩いてきた後輩が、それ人殺しですよって言う。


2010年04月20日(火)

 私はもう吹奏楽をしていないからみんなが座る椅子を丁寧に避けながら小学校の階段をおりる。