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2010年04月21日(水)

 式典では全員に薄いナイフが配られる。刺したほうがいいのだろうかって全体が緊張している。何もないまま終わって、ナイフを持った私たち雨の町に出る。ケーキを食べようと思ってケーキ屋に行くとケーキ食べながらこのケーキの消費期限いつですかまずいと言ってる客がいる。


2010年04月22日(木)

 本屋で友だちが泣きそうになっていて、話をきくと黄色が足りなくて自己嫌悪だと言う。私も泣きそうになって『ぶたぶた』をすすめる。でも追っ手が来たので逃げなくちゃならない。すすめた本が見つからないまま、ちょうどよくやってきた別の友だちの車にふたりで乗り込む。8人乗りの大きい車だ。灰色で四角い。犯人の車みたいって同じく乗り込んだ友だちが言う。私たちは一番後ろの列に座る。他の席はすでに埋まっていた。サイドミラーを確認しながら、必死に冷凍「かつおのたたき」を細いビニール袋に詰めていく。


2010年04月23日(金)

 窓の向こうが騒がしい。踏切で事故があったみたいだ。カーテン越しに赤い光がぴかぴかしている。見られたらまずいと思っていて、電気を消してカーテンをみっしり閉めた部屋でスカイプチャットをする。


2010年04月24日(土)

 油と花びらが浮いていて海が黄色い。


2010年04月26日(月)

 体育館に集まっている。みんなで分厚い文庫本を読んでいる。同性愛者の青年が花束を抱えてプールに飛び込むシーンで終わる長編小説だ。私はうつらうつらとしていて、何度も同じ夢を見ては怖さに目を覚ましていた。小説の感想をうまく言えた人から外に出てもいいという。緑のゲルインキボールペンで左手にみっしりと感想を書いて試験に臨んだ。
 外は夏だった。
 半袖にちびまる子ちゃんみたいなスカートで、小学生の私は、蝉を捕まえに通学路を行く。団地では小説家たちの集まりがあるらしく妙にざわついていた。でもそれよりももっと蝉の声のほうが大きかった。