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2010年04月27日(火)

 体育館ではお祭り騒ぎだ。輪になって踊る。壇上では偉い人たちが教えを説いている。休憩時間に母と姉と合流して、粘り気の強いガムが食べたいねってなる。母が買ってくるよと言うけど、ここからガム売りがいた道まではだいぶ距離がある、だから私が行きます。
 セーラー服で坂道を上る。走る走る。みんな新歓のちらしを配っているのですぐに両手がいっぱいになる。信号が緑に変わったら両手いっぱいのちらしをばらまいて、また走る。
 ガム売りはすでにいなかった。いたところに駄菓子屋があったけれど欲しかった300円のガムはない。近くに「都会ドーナツ」というプラカードを持ったお姉さんがいて、1個100円のドーナツを売っていた、それを買おう。都会ドーナツは種類が多いので悩む。時計を見ると休憩時間が終わっていた。間に合うはずないからおうちに帰ろう、と思う。


2010年04月28日(水)

 石造りの大通りをみんなで歩く。黙って歩く。前の方を行く誰かが転んだのがわかる。大きなリュックを背負っているひとだ。リュックからたくさんの水風船がこぼれる。水風船は、地面にあたって破裂したり、大きく跳ねて空に上がり落下、を、くりかえして破裂したり、する。あたりは水浸しになる。なぜあんな重い荷物を持たせたんだと不満の声があちこちにあがる。それをかき消すように雨が降りだし、空が暗くなるので、私たちはそれぞれの荷物を捨てて商店街へと急いだ。
 しかしアーケードに見えていたのは小さな橋だった。川は増水している。増水して手の届く位置に来た川で、白衣の老婆がミニ扇風機を洗っている。私は友だちとそれを手伝う。老婆はなにか小声でつぶやいており、私はそれを聴き取れなかったが、友だちはそれに魅了されていた。友だちはそのまま老婆と川に飛び込んだ。私は諦めて城に向かった。
 城はもはや廃墟だった。扉は開けたのち閉まったが、再びは開かなかった。閉じ込められてしまった。私は風呂場の排水溝から、青緑のドロドロした液体と一緒に脱出する。カエルの頭をした大きな人間から逃れて岸につく。小学生が人形がいると騒ぐ。私は小さい人形だった。小学生たちが去ったのを確認してから土手を歩いた。違う、やっぱり私は人形じゃなかった。小学生たちが大きいだけだったのだ。
 いつもの場所に行くとやっぱりみんないて、本屋に行こうか、となる。集めていたポイントがたまったのだと嬉しそうに友だちが言う。


2010年04月29日(木)

 てっぺんにピエロの頭を大きくして取り付けたような塔が、町には二つある。子どもがその下にチューリップを植えた。赤い花はどんどん大きくなり茎はぐいぐいのびて、ピエロの頭を包みこむ。花が枯れると塔のてっぺんも一緒に落ちて、蓋をなくした書物たちは空にのぼるほかない。


2010年04月30日(金)

 大きな日本家屋にみんなで住まっている。子どもたちは交代で、「スプートニクちゃん」と呼ばれる虫の世話をしている。今は黄色の芋虫だけれど、いつか立派な蝶になるらしい。