2010年06月14日(月)
みんなで自動販売機のアイス食べながら道を行く。すると旗を持ったおばさんに止められて、おばさんは、子どもたちが通りますので、と申し訳なさそうにしている。しばらく待っていると子どもたちがやって来る。じゅうごー、じゅうろーく、と数をかぞえながら来る。子どもたちはろくじゅう数えるごとに、いっぷん! と叫ぶ。そしてまたいーち、から始める。子どもたちが私たちの前を通り過ぎ、声が聞こえなくなるくらいになると、おばさんはやっと私たちを通してくれる。私たちは右手を上げて通りを横切る。魚だと友だちのひとりが言う。右を向く。子どもたちの歩いていった方向だ。
道路は黒く湿っていて何匹もの小魚が跳ねていた。
おばさんが、ああああと声をあげて魚たちにかけより、私たちのほうを見てはすみませんすみませんといいながら小魚たちを口に含んでいく。私たちは見ていられなくって走って逃げる。
2010年06月15日(火)
雨の夜、友だちの黒い大きな車に一年生たちを詰め込んで行く。友だちが運転席に座り、助手席には本がたくさん詰まれている。私とあとふたりの友だちは荷物の乗るところに体育座りでおさまった。古い校舎にたどり着くと、友だちは窓を全部開けてと後輩たちに命令する。窓は外側から簡単に開く。一階のすべての窓を開け終えると、私たちは暗い校舎に入る。今度は内側から窓を閉める。鍵もしっかりとかける。食堂には食事の準備がされている。私と友だちはケーキ投げを提案する。でも後輩たちが悲しい顔をするのでやめる。
2010年06月16日(水)
溝に落ちてやっとはいあがってきた人びとはみんな血で赤かった。つとめて明るく、すごいメイクですね本物みたいですよ、と言うと、彼らほっとしたように、いやいや本物ですよ、痛い、痛い、と言って、それから集まって泣いていた。私たちにできることなんてなかった、進まねばならない。
2010年06月17日(木)
空には分厚い雲が浮いていてその隙間にときどき飛行船が飛ぶ。西友に来たけど値下げされたパンはなかった。代わりにオレンジがたくさんあった。ひとつ33円なのでみっつ買う。帰り道にオレンジ剥くと中に動物の子を漬けたようなものが詰まっていた、みっつ全部に。
2010年06月18日(金)
水を2ふくろ持って歩く。一緒に歩いている友だちと後輩は白線の上しか歩けないので水など持つのは私の役目だ。うたを歌っているあいだは重さを感じないのだなとわかって大きな声で歌う。みんな歌いだして合唱になる。私は袋に手をやり中のカラフルな花びらを撒いてく。
つまり、袋の水は花に変わる、指で触れたとたんに。