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2010年10月12日(火)

 耳かきしたいと思って耳かき探している。なかなか見つからないなあ、とあれこれしているうちに、部屋の片付けもできてしまえてたいへん嬉しい。耳かきはベッドの上に落ちていた。拾おうとすると敷き布団にくっついている。ひっぱったら敷き布団に耳かきの形の穴があく。あーあ。


2010年10月13日(水)

 劇団の公演のチケットをふたりぶんとって、でもこれはひとりでみたい芝居だから離れた席に座ろう、と友だちに言う。それで友だちがすごく怒るので、とても悲しかった。待ち合わせの時間が近づくと、目印にしていた螺旋階段のある歩道橋がこの内の一体どれなのか、わからなくなってしまう。


2010年10月14日(木)

 送れて食卓につくと姉と母は食事を終えていて、私の前にだけサラダとカレーがある。でもふたりとも作業に熱心で、食べ方を教えてくれない。私がスプーンと箸を求めると母は円卓の真ん中にあるボールの中からカチューシャをとりだして、これでポケモンに耳がつけれるよと言う。


2010年10月15日(金)

 電車を降りたらひとりの帰路。街灯に照らされた道路のくぼみに水が溜まっていると思ったら水でない、黒い。カセットテープのテープを引き出してめちゃくちゃにしたみたいな。私、はっとして家まで走り、ゴミ箱など家中のくぼみに目をやる。同じ黒いものが溜まっている。


2010年10月16日(土)

 一度に進める歩数は決まっている。持ち物は友だちの名前をたくさんかいたノートで、その友だちひとりひとりに会って行かないとならない。進める方向も四つしかないので学校の階段を上るのも一苦労だ。友だちに会ったら、ノートの中のその友だちの名前に印がつく。少しの会話をしたらその友だちは別の場所に、ワープかなにかして、移動してしまう。私は友だちの立っていたところから小さい紙を拾い上げてアンケートに答える。その友だちがどんな人かを書いていく。
 というような、それらが、画面の中の出来事になったら、私たちはラーメンを食べに部屋を出る。


2010年10月17日(日)

 買い物に行くと先輩に会う。顔色が悪いねと言われて、ポケモンしててあんまり寝てないンすよ、とこたえる。すると何時までやってたのと訊かれるから、実は3時までだったけどそれはイマイチだと思い、6時までですね、と答える。頑張ってるねと先輩はコーンフレークを買ってくれる。
 スロープをのぼっていると女の子に声をかけられる、34号館はどこですか。一年生? と訊くと、転校生です、と女の子。なるほどそれで34号館は、と説明しようとすると大学内は工場の煙でいっぱいで、何も見えない。遠くに、タンクの赤と煙突のてっぺんのラインの青が見える。私は煙突のほうを見て、たぶんあっちだ、と指差す。でも女の子が動かないので一緒に行こうかと提案。ふたりで手をつないで歩くと地面はふかふかしていて、やあこれは人工芝だと気づく。小学校なのかもしれない。授業まではあと2分しかなくて、しかし大学がわかんない。私たちは走り出す。小学校を抜けてとうとう工場のほうにまで来てしまった。女の子が笑いながら私授業サボるの初めてですと言う。手をつないだままで工場内をゆっくり歩く。どこも煙で真っ白だったけれど、茂った草の、露に濡れた緑色は、あちこちに見えた。喉が渇けば葉を舐めればよかった。