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2010年10月18日(月)

 地面だけどトロトロしていて船を浮かべることができる。私たちはゆっくりと流れていく。芝生の上では各地の祭での踊りの展示が行われている。ほとんどの踊りの前には数人の客がいるけど、どれも身内っぽくてさみしい。客がいなくても時間になれば踊らなくてはいけない。さみしい。


2010年10月19日(火)

 私は少年でオレンジ色の細い鳥居の下に立っていた。その奥には同じ細さの薄い青緑色の鳥居があった。奥の鳥居の方が少し背が高かった。私の両脇には大人が立っていて、私の右手の長いマレットで鳥居を叩くように言ってくる。思いっきり跳ばないと手が届かない。一回弾くのでやっとなんだから、音楽なんて到底奏でられない。大人がイライラとしてマレットを掴むとそれはたくさんの矢になって鳥居に向かって飛び、キンキンした音楽になる。少年は耳をふさいでそれが止むのを待ち、止んだら大人の手に残った矢を奪って、自分の喉に刺した。少年の流す血を見ていると自分の首が痛むような気がした。
 セーラー服のリボンを結び直して学校に向かった。友だちが、指にはめて遊ぶ用の、ペラペラしたカニの爪をくれた。本物ではなく、柔らかい樹脂で作られている。ジェツというおもちゃで、最近の流行り。


2010年10月20日(水)

 小さくて粉っぽいホールだ。照明はやけにオレンジ色、座席はくすんだ赤色で、ところどころ破けて中の黄色いスポンジが見えている。みんなと一緒に建物の脇の階段を上ってそこに入った。客席に行けばいいのか舞台の上に立てばいいのかわかんない。みんな楽器の準備をしてる。


2010年10月21日(木) 1

 教室を出て、みんなでひそひそ声で答え合わせをする。廊下は床も壁も白い。先生たちから静かにするように注意されているのだけれど、私たち静かな中で勉強するのが苦手だ。となりの教室のドアが開いて姉が出てくるのを待つ。今の状態をロシア語で言ってと友だちの耳打ち。


2010年10月21日(木) 2

 玄関のほうがうるさいので覗いてみるとずぶ濡れの女が入ってきたのがわかった。女の腕は白くもちもちとしていて、でも足はかさかさで細い。つまり、這って進むしかない女だ。やれ首を絞めて殺されるぞ、と誰かが警告して、私たちわっと部屋に逃げ込む。女はびたびたと音をたてて這う。扉についている三つの鍵全てを閉め終わったとき、ちょうど女が部屋の横を通過した。一緒の部屋で震える子ども仲間のひとりが電気は消しといたほうがいい、女が外に行ったときに灯りに寄って来るだろうからと助言する。私は電気を消す。するとしばらくして扉に丸い穴が開く。私は急いで中指の腹で穴を塞ぐ。それでその穴が私の目と同じ高さにあると気づき、例の女の開けたものではないな。指をはなして穴の向こうを見る。友だちが同じようにこちらをのぞいている。私は扉を開ける。振り返ると薄暗い部屋の窓は開いていて、私の他には誰もいない。


2010年10月22日(金)

 普段の入口は閉まっていて、車とか運べそうな大きな銀色のエスカレーターに乗せられた。できるだけ真ん中のほうに居てくださいと言われたけど、真ん中ほど床が柔らかくて不気味。私たちみんな背中を壁にくっつけて立つ。エレベーターはゆっくり進み、ゆっくり止まった。扉が開くと濃い赤色の絨毯の上にひとり乗りのブリキのアヒルたちが待機している。乗って部屋番号を言えば部屋まで行ってくれるらしい。でも部屋に行くよりアヒルに乗るほうが楽しいから、みんな、もっと、遊ぼう。