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2010年12月01日(水)

 姉の友だちに会うけど名前が思え出さない。おっぱいにラップを巻くのが彼女の大学では流行っているらしい。そういう話をして別れた。
 もうみんなとの待ち合わせの時刻は過ぎていた。だからゆっくりホールに向かった。ホールはすきま風だらけで寒い。でも床は暖かいためみんな床にそのまま座っていた。いま誰が演奏してるのと訊ねると、次AKBだよと友だちは言う。それは別に聴かなくてもよかったなあと思うけど、舞台上にでてきたAKBは歌ったり踊ったりせず真摯にテルミンを奏でて好印象だった。


2010年12月02日(木)

 ポケモンを進化させるには一匹を強くしていくより、弱いのをいっぱい集めて一匹ずつ捏ねて、これは足の細胞、これは目の、としていって、全部の部品をそろえると、はやいよ、と教わる。


2010年12月04日(土)

 会合の途中でみんなが知らない言語を話しだして動揺する。白かった壁には茶色や緑の染みがたくさんできて、一気に時間が流れ出しているみたいだった。仕方ないから部屋を出てひとりで馬場歩きする。足のあまりの動かなさにこれは夢なんじゃないかと思う。
 とうとう動けなくなってぼんやり明るい自動販売機前にうずくまる。
 ああ、いつまでもそうしているわけにも行くまい。立ち上がると背中から破けてうまいこと脱皮できる。殻は軽くてぱさぱさとしているけど、丸めると缶みたいカチカチになった。光沢のない缶。
 また駅に向かって歩き出せる。でも丸めたまま置き去りにされた殻のことが気になって泣ける。ぐずぐず泣いているのに誰も私を気に留めないから本当は死んで幽霊なのじゃないかとか、不安になる。だけどちゃんと、私のために自動改札も作動してくれる。
 電車に乗り込むと小学校の教室のように木造で、床は湿っている。窓は蔦で覆われて、そこから微かに光がもれている。靴がゆっくり水を染み込ませて冷たい。どんどん水位は上がる。駅に着けば排水できる。これは涙だと気づく。みんなずっと泣いているから私も泣いているのが自然だった。


2010年12月06日(月)

 恐い夢を見ていた気がする。揺れで起きた。姉も同じように目を覚ましている。外に出ようかとひそひそ声で相談する。でも外からきこえてくる鈴の音が不安で出られない。音が消えたら、(出よう)、と確認し合う。仰向けにした体の左半分が重たくて、姉にもっと端に寄ってくれと頼む。姉は眠たそうな声で、鳴る鈴にあわせてハミングしている。そういえば姉は二段ベッドの二階のほうにいるので、じゃあこれはなんなんだ、左を向こうとする。でも首が動かない、手も足も全然動かなくって焦る。鈴の音は消えていて姉の歌声だけ聴こえている。もう歌声が姉のものかどうかもはっきりしない。そもそもこれは二段ベッドじゃないし、私は姉と暮らしていなかった。左の重みはじわじわとベッドを溶かしていって、ベッドに穴があけば私もその底のほうへ底のほうへ落ちていくのだろうと思う。


2010年12月07日(火)

 みんなどろどろの空気の中を泳いで移動できるから階段はぼろぼろのままでかまわなかった。廃墟のような建物をそのまま利用している。私たちの部屋は美術室だったから壁がカラフルで陽気。一面だけ真っ白に潰して、そこをスクリーン代わりにゲーム画面を映して遊ぶ。