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2011年01月06日(木)

　順番がきて、これがそのオルゴールです、と薄い木箱を渡される。開けると音楽。でも私が欲しいのは、もっと分厚くていいから、透明になっていて水が入っていて、魚が泳いだりしてるタイプのなんです、と言って、買わなかった。

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2011年01月07日(金)

　お別れ会のために絵をかいている。なにを描いてもいいというから、その子の書いていた物語の登場人物たちの中で、一番性格が悪くて、一番可愛い、ショートカットの女の子をかいている。

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2011年01月08日(土)

　姉の初ライブが行われる。私は付き人として一緒に会館に向かう。広い円形の大ホールのまわりには練習室が７つあって、この日、全部の練習室が市内の高校たちの吹奏楽部で埋まっている。音漏れがどのくらいかを心配する。できるだけ静かにお願いしますと言って部屋をまわる。でも、漏れてくる音は思ったより大きい。大会が近いから練習したいのはわかるんだよなあって思いながら、でもライブのほうがずっと前から行われる予定だったよ、なんでこの日に練習をいれるんだよ。ひとつの高校が合奏をはじめると、別の高校も負けじと続いて困る。

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2011年01月15日(土)

　引っ越しのために捨てる漫画を一部屋にまとめている。その部屋の真ん中に座っている。正座。外は吹雪だから部屋の天井の四隅に取り付けられた小型テレビにはお年寄りの遭難情報が延々と流れている。いろんな人が部屋にあいさつに訪れる。

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2011年01月16日(日)

　テレビでが飛行機事故について言っている。すごろくに夢中な友だちは「どこ？」とテレビ画面を見ずに言う。「ロシアだ」と私が答える。画面の中で白磁みたいな飛行機がまっぷたつになっている。カメラはどんどん飛行機に近づく。座席はなくてつるつるの内部。散らばる人間。友だちもやっと画面を見て、わあ放送事故だよこれ、と騒ぐ。飛行機のまっぷたつの断面、その部分にいる人間も丁度きれいに分断されている。青緑のドレスを着た女の人だ。女の人まっぷたつ。私たちはテレビを消そうとするけれど、空から落ちるみたいに飛行機に近づいて行ってしまう。飛行機のなめらかな内部、オレンジに光って見えるのは全部、
　血だ、
　と思う。そして森の中にいる。木々は緑だけど足下の土と水は無彩色だ。たくさんの遺留品と魚がさらさらと流れて行く。

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