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2011年01月18日(火)

 入学式の準備をする。姉と友だちのために買ってきたコンタクトレンズが、黒目にするやつじゃなく目全体を覆うようなやつで、失敗したなあと思う。友だちは調整のためにとコンタクトレンズをオーブンでチンしてしまう。うまく縮めなかったコンタクトレンズは茶色く焦げる。まあなんとかなるねと友だちは制服のスカートを長くして、新しく買ったばかりの魔法で学校に向かう。私たちはまず準備の片付けをする。入り口にはものを置かないほうがいい、車庫だからここは。段ボールなどをまとめて端に詰んでおく。
 出発。
 歩いていくうちに仲間が増える。みんなで学校に着くと夜。暖かい校庭に眠って、その次に朝が来て、式が始まるだろう。薄暗い校庭に先生たちがぞろぞろやってくる。どの先生も緑色のジャージを着ている。一番偉そうな先生のジャージには金のライン。手には鉢植えを持っている。校庭にどんどん樹が生えて、たぶん子どもの数だけ生えて、先生たちは一番偉い先生の言う言葉を復唱している。わたしたちは! せんせいであり! こどもらをそだてる! ぎむがある! 樹はどんどん大きくなる。下には子どもが埋まっている。子どもの樹だ。


2011年01月19日(水) 1

 みんなで携帯の電波が届かない遠いところに行く。泊まるのは古い校舎。遊び場は硝子でできたドーム。ドームは地上階と地下階がある。地上階はスケート場で、地下階は森。私たちは小学生から大学生までさまざまだけれど、一緒にスケートや探検を楽しむ。
 この場所を管理しているのは背の高くて横幅のすごく広い老人。私たちは明日が科目登録だと気づいて、電波の届く場所にちょっと行きたいのだと老人に頼む。だけど老人は、ここに来たからには期限までは出ることができないと言う。困ってしまって老人殺害計画などたてる。森に斧があったとか、校舎のどこかには家庭科室があるはずだ、とかみんなで話す。でもまさか実行したりはしない。電話が鳴りだすのでひとりが受話器を取った。彼は電話を切ると嬉しそうにここから出れるぞと言って私たちも喜ぶ。外の大人たちが私たち子どもを外に出すための寄付金を募ってくれたらしい。


2011年01月19日(水) 2

 草原では蠅か蜂か知らん黒くてぶんぶん言う小さい虫がたくさん飛び回っている。板が敷いてあるところが私たちの道。姉と競争する。途中ラーメンの屋台があって、ふやけた海苔を食べながら重量挙げの重量を持ち上げると頭の角が伸びる。規定の長さに近く伸ばせたら良い。私はつい海苔が美味しすぎてばくばく食べてしまい、逆に、冷静に食べながら重量を持ち上げる、をこなした姉が勝つ。
 次は勝負はなしね、と気楽に草原を見て回る。透明なてんとう虫が三匹いた。見分けつかないけれど、うち二匹が「おとぎなう」、残りの一匹が「おとぎ」という種類らしい。


2011年01月21日(金) 1

 福袋にたくさんのお茶が入っている。みんなのためにお茶を入れる。姉の湯のみに入れた粉からは青い鉱物のようなお茶ができた。こういうの姉、嫌いだろうなと思って、半分捨ててお湯を入れて、として薄める。するとお茶はただのポトフのようになってしまう。


2011年01月21日(金) 2

 広い芝生の上には道路がいくつも通っている。あたりは薄暗く、湿っている。芝生も道路も全部黒い。街灯の灯りでキラキラする。そういう場所で私たち、鬼ごっこ。
 近くでバス事故らしく、大きい四角が燃えだして、芝生たちも照らされる。バスの乗客はみんな駄目だという。バスに乗っているのは私たちの知り合いばかりだった。みんなが燃えるバスに群がって、これは酷い、と口々に言っている。私も泣いたり叫んだりせねばと思ってとりあえず逃げて学校に行く。
 人工芝はざらざらしている。トイレもパソコン室も満席でどこに行けばいいかわからない。廊下に座り込んで、なんでこれが夢じゃないんだろう、左手では時計がじゃらりと重くって、この重力感ときたら、ああ、どうにも現実めいている。しばらくそうしてからゆっくり這うように歩いて二階の子供部屋に行く。その畳の部屋には姉もいて、携帯をかちかちとやっている。だから私も携帯を取り出してかちかちやる。ツイッターを見る。姉のツイートが流れていて、ただの嘘なのに特に女の子たちは騙されて鬱になっている、とある。えっ嘘なん、と私は顔を上げる。
 蛍光灯がまぶしかった。
 長机には同じ型のデジカメがたくさん並んでいる。さらにどのデジカメにも、同じような写真のデータが入っている。どれも角度とか、明るさとか、ブレ方とかがちょっとずつ違うのだ。私はそれらを比べて、どれが自分のカメラかを見極めねばならない。
 もう、みんな甦っていて、とてもとても嬉しかった。