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2011年01月01日(土)

 給食はみんなで机くっつけて食べるんだけど班員のひとりが殺すとか死ねとかやたら言うのがかっこいいと思ってるらしくていらいらする。それを注意するとじゃあ勝負しましょうとなって、私は拐われた妹を助けに廃墟に向かう。


2011年01月02日(日)

 夜の大学は黄色や緑に光っていて、その光の中を抜け私は38号館に入る。薄暗いホール、みんな無彩色に見える。舞台には白い真四角の板が立っている。板には横長い映像が映されている。映像だけはカラフルだ。知り合いに気づかれんよう端のほうの席に座る。座るとすぐに、てらてらした上着のアンケートの女の子がやって来て、人数を調査中ですのでお名前教えてほしいと言う。私は姉の名前を名乗る。その声で、右のほうにいた友だちが私に気つく。二人でホールを出て友だちは私が「私」で「私の姉」ではないことを確認して、やっぱり、と笑う。私がなんで姉の名前を言ったのかを友だちは知りたがったけれど、なぜなのか私にもよくわからなかった。
 みんなそろうとエレベーターで緑化の進んだ屋上に出て、そのまま船に乗り込む。みんなで物語をはじめる。


2011年01月03日(月)

 隣の席のお姉さんは黒いドレスを着ている。カーテンの隙間を広げて外を睨んでひとりごとを言っている。
 バスは早々と夜を越えてしまってたくさんの公園から公園へと走る。ソフトクリームのおいしい公園。汚い池のある公園。昔、夢の中で大規模な鬼ごっこをした公園。数々の公園の入口、バスが停車するたびに、隣の席のお姉さんは、ああ侵入者が、と呻く。
 昼になっても閉められたままだったカーテンがあるときいっせいに開いて(それまでフロントガラスを覗いて外を見ていた。私は通路側の座席だったから)、他の人びとの姿もはっきりとし出す。後ろの席にいたのは後輩で、カーキ色の長いコートを着ている。どこかの制服かもしれない。コートの端にある厚みをたどっても、その延長に足が見つからない。後輩は私の戸惑いに気づいてか、先輩、見えないけどあるんですよ、と言ってコートをめくる。スカートがある。なめらかな、透明な素材でできたスカート。細い足がつくるふくらみとか影がはっきりわかる。後輩は私の顔をきっぱりと見て言う。
「足は観察にじゃまだったんです」
 そこでバスが揺れて、止まる。カーテンがいっせいに、閉まる。フロントガラスに蜘蛛の巣みたいなひびが広がって、車内はとても暗い。誰かの鞄の中でアラームが鳴っている。あるいは爆弾かもしれないと思う。


2011年01月04日(火)

 どの教室にもくすんだえんじ色のカーペットが敷かれていて、広い黒板の前でクリスマスツリーが光っている。私たちはいつも四人で行動している。全員が女子だけど、そのなかのひとりが昔は男子だったと告白して、どうやら保健室に相談に行くと性別を変えてくれるらしい。


2011年01月05日(水)

 あらゆるみんなでお城に行く。
 外側の話↓
 お城は煉瓦造りの建物だけれど、ドーナツの周りについてる砂糖みたいな半透明の装飾がたくさん載っている。雨などかかると透明になってきれい。門も同じ半透明の素材でできている。城の前庭は日本庭園風。でも木も石もすごく大きい。前庭に置いてある白いイスの足は、私たちのだいたい二倍くらいある。建物の後ろにある庭は、ミニチュアの白い都会。私たちの背丈よりも小さい、ビルやマンションが立ち並んでいる。住宅街なんかもある。透明の川が流れていて、それは庭の向こうで透明な海になっている。お城からはたくさんの渡り廊下。そのまま普段の街に通じる廊下もあれば、海の上を通って遠くに行く廊下もある。
 中身の話↓
 たくさんの部屋がある。食堂やピアノのある部屋も。私たちにはふたり用の部屋と三組の布団が与えられているから、好きに三人組を作って暮らす。
 でも暮らしは平穏じゃない。正午から夕方の六時までは戦争が行われる。私たちはあらかじめ赤チームと白チームに分けられていて、それと関係なく三人組を作っているから困る。殺し合わない程度にやっつけ合う。正午になっても部屋を出ず三人で戦ったりする人びともいる。でも多くは正午になる前に部屋を出てチームで固まって作戦をたてる、という人びと。戦地には範囲があって、ちゃんとした廊下を選んで進めば、今日は戦意はありません、という表明になる。毎晩八時には復活できるし、食べたら回復する木の実もあるからそんな残酷ではない。