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2011年02月01日(火)

 母はサーモンピンクの割烹着を着ている。家族みんなで帰ってきた。家の鍵は開いていた。玄関に母と同じ割烹着を着た知らない老女が座っている。私は、この人はまたあたしの母さんの真似なんかして! というふうに老女を叱る。老女は黒目だけの犬みたいな瞳で私を睨む。


2011年02月02日(水)

 私は少年で母親の運転する車に乗っている。母親は花屋の前で車を停め、私に待っているよう言う。
 私は母親になって花束を買う。紫と黄色の花束。最初は茎だけを束ねてその先に花を被せるのを見て、びっくりする。
 同時に私は車の後部座席で母親が買い物を終えるのを待っている。母親が外で、待って、と叫んでいる。車が勝手に動くんだよ、と母親に向かって言う。車が勝手に動くんだよ。運転席には知らないおじさんが灰色のコートで座っていて、それに気づいた私は慌ててその人を追い出そうとする。突き飛ばすと簡単に外に吹っ飛ぶおじさんだけど、すぐ戻ってきてしまう。
 車は楽器屋に到着する。おじさんはポケットから金管楽器のマウスピースを取り出して私にくれた。
 私は女の子で、美研の仲間と一緒に楽器屋にとまる車を見ていた。少年がお礼を言うのを聴きながら、みんなで合宿所たる神社に向かった。美研はジグソーパズルをするサークル。廊下にも和室にも完成しかけのパズルが置いてある。食堂のところにピースを集めてあって、班ごとに目当てのピースを集めて持っていく。弟とその彼女と同じ班なのだけど、弟の彼女の態度がすごく悪くって、私はついぶってしまう。それで泣く彼女にさらにいらいらしてしまう。ひとり食堂でピースの選別をしていると先輩がやって来て、暇ならお参り行くよと言う。私は先輩のあとを追うけれど、もう見失ってしまった。人の流れに乗ればお堂につくだろうと気楽に思う。進むほどにまわりは修行の人ばっかりになってしまって、肩身が狭い。


2011年02月03日(木)

 体育館でいろんな映画をやると言うから車で向かう。父が運転して、助手席に姉、後部座席には私と友だち三人がぎゅうぎゅうになって座る。まだ子どもだから人数オーバーもかまわんだろうと思う。体育館に着くと入り口で風船の膨らましてないのをもらう。私のは水色だった。体育館の中では何も上映していない。ぷるぷるした丸いものがたくさんの色して飛び回っている。大きさもさまざまで、掌に収まるくらいのもの、直径が子どもの背丈ほどのもの……。ご自由にお獲りください映画ですと支配人。まわりの子どもたちはすでに映画を追っている。渡された風船を捕まえた映画にあてると、つるんと風船の中に吸い込まれて、風船は水が入ったみたいにたゆたゆになる。いくらでも捕まえられる。風船はのびる。大人は黙ってにこにこと見守っている。
 時間が来て私たちは車に戻る。けれどあんまりたくさんの映画を獲りすぎた。車に四人分の大量の映画は入らない。一人分の映画だって扉をくぐりそうになかった。車は小さい。私たちは、でも捕まえるのが楽しかったから、と容易く諦めて、前髪とめてたヘアピンで、風船をぶすっとやる。たちまち映画が飛び出して、いろんな色して空に上っていく。
 次に行った公民館では画板と紙と鉛筆を渡されて、10個のお題を告げられ、描けと言われる。首のないカエルとか、そういうお題だった。隣に座った知らない子が、どんなん描いとるん見せてや〜と覗き込んできてうるさいので、画板でぽかぽか殴った。


2011年02月04日(金)

 架空の女の子たちがびゅんびゅん走っている。田んぼの畦道を一列になって走り、ビルの間を近道を探りつつ走り、ときには仲間をおぶって走り、新宿が見えてきたらあそこでお土産買おうといいつつ走る。この新宿には蟹道楽があって、その蟹を目印にラストスパート。
 女の子たちのうち数人に感情移入をしていたのだけど最後の直線のところでは作画が崩壊してしまって、シュールすぎるギャグみたいになって、冷めてしまった。
 でも帰宅する頃には皆もとに戻っていて、家の鏡が変なんだとみんなで話している。庭の桃の木の育ちも異様に速いの。数人の女の子は庭で祈り出す。桃の木の異常が治りますようにって。私もこの桃の木に何かしたはずだけど思いだせなくてもやもやした。そのうち雨が降り出した。木は目に見えて成長を始めた。雨はどんどん強さを増し、でも庭の女の子たちはまだ祈っていた。私はベランダから、みんなうちに入りな、それであったかい風呂に入りなよ、と叫ぶ。叫ぶほどに口から植物の種があふれて息ができなくなった。私は幼い女の子に身を変えて、年長の子を気遣った。大丈夫だとわかると階段を下りて風呂を沸かそうと思った。でも風呂場が二つあってどちらかわからない。祖母や従兄がもうすぐ帰ってくるからそしたら訊こうと思う。


2011年02月05日(土)

 教室でプリントが配られて、プリントには一行で終わる文章がいくつも並んでいる。文章はAからDのグループに分けられていて、それぞれ8文字、8文字、11文字、11文字。それぞれのグループから一つずつとって並べたら短歌になりますと先生。私たちは朗読しなければ。でも並べても文章は全然短歌じゃないからうまく朗読できない。漢字の読み方もよくわからない。「男楽」ってかいて「クラブ」って読めって先生は言う。(ああこれは夢だってわかったけど悔しいので)何回も挑戦したら、だんだんみんなで声を合わせていて、窓が割れていく。
窓の外にはジェットコースターが待っていて、サングラスの人びとに脅された私たちは次々に乗り込む。ゆっくり走らないと無理なんです怖いんですと言うとゆっくり走ってくれた。発育のいい小学生たちがまわりでファッションショーをしていて目がチカチカする。
 つぎは観覧車に乗っている。二つの輪っかが同時に回る観覧車で、私の前のかごに友だち、友だちの横のかごに友だちの想い人が乗っている。二人はお互いが隣り合ってることに気づくと、かごを揺らして、特別な軌道に乗って遠くに行ってしまった。私は失意の中で子供部屋に戻り、ベッドにいる猫をなでる。