about map e! yumenikki  nikkihito) インデックスへ

2011年03月28日(月) 1

 四番まである詩で、日本語の五十音が脈絡なく漢字に置き換えられて表記されている(一番にだけふりがながある)ので、とっても読みにくい。ところどころに楽譜が書いてあるのは、朗読の途中で必ずそういうふうにピアノを弾かなければいけないから。姉や従兄たちと輪読する。みんな自分の番が終わると部屋を出て行くため、最後の人がちゃんと最後まで詩を読んだのかはわからない。
 その家の人がそろそろ畳を替えると言うので古い畳を有効活用せねば。それで畳に包丁を突き立てる練習をする。


2011年03月28日(月) 2

 カイプにログインすると名前が「浮気@卵禁止」となっていて、なんだこれはと驚く。でもこの画面は公衆スカイプ機(100円を入れて灰色の椅子に座ると起動、銀色の本体は丸くてすべすべしている。画面はモノクロのゲームボーイみたい)のものなので、この変な名前は前の人のデータだ。
 誰かとチャットなどしたのかどうかは忘れた。とにかくこの椅子は座り心地が良く、底にはキャスターがついており、考えただけでその方向に進んでくれる。舗装されていない砂でざらざらした道も坂道もすいすい走る。通話時間が終わった後に、つい椅子にのったまま帰りそうになる。坂道を上ったところに知らないおじさんが立っていて、厳しい目で私を見るので、あ、これは駄目だ、と気づいて椅子をもとの場所に戻す。危うく警報機(膝くらいまでの高さ、白くて丸い。手みたいな棒が二つついていて、動く)が作動し、追いかけてこようとしているところだった。
 すぐそばには大きな川がある。大きな花束が川の上を移動していて、流れているのかと思ったら二匹の鳥がそれをくわえて上空を飛んでいるのだった。いつの間にか友だちたちが横にいて、すげーすげー言いながらそれを見ている。花束は小舟くらいの大きさだろう。すげー。よく見れば川辺にはキリンの子どもを運ぼうとしている鳥や、ブリッジして川を渡るライオンなど、様々な動物がいる。みんな必死で川を越えていく。逃げているんだ、と気づいて、私たちも走り出した。


2011年03月29日(火)

 火事を見ている。木造の小屋が燃えている。古い小屋だ。木と木のあいだにできた隙間がたくさんあり、そこには紙がつめられてひらひらしている。紙はしろく光りながら黒い煙を出している。窓には座布団が詰まっていて、小屋の中にいる人が、それを外にだそうと必死だった。座布団は燃えていないかった。窓が完全に開いたから中の様子が見えた。着物の女の人がいっぱいいる。女のひとたち、窓からどんどん出てくる。最初の二、三人はとてもおびえたふうだったけど、そのあとから出てくる人たちはみんな笑顔だった。笑い声が大きくて、すぐに火事の音もきこえなくなった。


2011年03月31日(木)

 突然部屋の電気がついたので目が覚めた。夜だったからまたすぐに消した。ぴたぴたと音がするので外を見た。線路がずっと続くのが見えた。ふだん建物に遮られて見えない遠くのほうまでずっと見えた。遠くにいるのは白い人影だった。少年だろう。背は低い。野球帽、短パン。白い少年の足は、足ひれを履いたみたいに大きかった。そして湿っていた。線路を歩くたびにぴたぴたという。ぼおっとそれを見ていたけど、ああ、あんなに遠くなのにはっきり見える少年は、実はとても大きい、怪物みたいに、と気づいて、そこで携帯が地震速報を鳴らす。窓の外をもう一度見て、どんどん近づく人影、あれが地震だと思って、あわててリュックに通帳たち・目についたかわいいものたちを詰め込んで、携帯と携帯の充電器をポケットに入れて部屋を出ると、そこは古い廊下で、そろいの体操服を着た子どもたちが、水が流れるみたいに走っている。