2011年07月20日(水)
あんまり使われていないプール兼温泉がある。その掃除をする。プール兼温泉は坂の下のほうと上のほうに一つずつあって、どちらも違ったつくりになっている。中間地点には大きな塔がある。それは食堂だ。坂のいたるところにある食券機で食券を買ったら塔の任意の階に行って食事をする。塔は何階まであるのかわからないほどの高さだ。ドーナツが無限につまれた形をしていて、真ん中に螺旋階段、塔を囲むようにたくさんの透明なエレベーターがついている。
さてプール兼温泉は藻でいっぱいになって緑色をしていた。だけどみんなでモップでこすっているうちに白磁の色を取り戻す。
別の私たちはプール兼温泉が今年もやっと開かれるときいて、わくわくしながら坂にやって来る。水着必須です。夕方で、プールは寒いと思うから温泉にさせてもらおう、スイッチを探す。また別の私たちは更衣室にいる。窓の外に刺客がいるから、応戦している。
2011年07月23日(土)
雨が降って来た町で酔っぱらった男四人がふらふら歩いている。帽子を目深に被った背の高い老人が四人に近づき、いま私の店が開いているから雨宿りしていかないかと言う。四人があいまいに了承すると老人は先頭に立って歩き出し、おしゃれなバーの前で一度、立ち止まる。老人が中にいる店員に身振りで何か合図する、店員は笑顔で応える。男四人はここなわけか良さそうな店だと言って喜ぶ。老人は裏口から入るからと言って、道を奥に進む。通りを少しいくと長い階段があり、それを五人で下る。ホテルの裏庭に出る。もうすぐだと言って老人は、四人に身なりを正させる。酔っぱらい四人が並んで服についた雨の粒をはらっている。その前で老人は帽子をとる。老人に頭はなく、口から上が平になっていて、その上に黄色く光る金属の目玉が二つ浮いている。四人がそれに気づいて、浮遊する目玉を見つめる。たちまち男四人の体が黒く溶け出し、一体の怪物になる。
そういうふうにして、町にはこのごろ怪物が出る。怪物は人を食べるし厄介だった。私は少年だった。町を出たいと思う。でも町の人にはみんな仕事があり、私は病院の広間で毎日ピアノを弾かなければならなかった。家での練習も欠かせない。その日もピアノの練習をしていた。ピアノの鍵盤のあいだから水が溢れ出し、つぎに鍵盤たちが浮き出して、ついに私のピアノは崩れてしまった。水浸しの内部にはショートカットの女の子が入っていて、私に灰の詰まった瓶を渡した。それは飲めば願いが叶う灰です、と説明し、女の子は天井に空いた穴から去る。ピアノが壊れたときに中から吹き出した色とりどりの風船が、天井に穴をあけて空へと出て行っていたのだ。
私はしばらく呆然としていたけれど、思いついて瓶に指をつっこみ、灰を舐め、全部直れと言った。すると天井もピアノも元通りになった。灰を舐めた舌がひりひりした。もう一度灰を舐めて、怪物いなくなれと言った。舌の上の灰は前のように消えたりせず、私は咳き込んだ。灰の量が足りないのかと思ってたくさん口に入れてもう一度言った。でも灰は反応しないので、この願い事は訊かないのかもしれない。自分がもう一人欲しいと言う。
私は指先から分裂して、少年が二人になる。
いっぽうの少年は喉が焼けると言ってしばらく苦しんでいた。それをもういっぽうが不思議そうに見ていた。少年は分裂してできたもうひとりを町において、自分は外に出るつもりでいた。でもふたりはすぐに仲良くなった。
病院に行ってふたりでピアノの連弾をする、他のひとには双子の弟だと説明した。双子なら同じ仕事で不思議はないなとまわりは言う。そうしているうちに日々はすぎていって、やっぱり町には怪物が出る。でも、もう、一方を置いてどちらかが逃げるなんてできそうもなかった。
二人で去ろう。
2011年07月24日(日)
神社の前に友だちと３人いてコップのアセロラジュースを回し飲みする。コップに誰かの銀歯が残る。友だち二人は虫歯未経験者と言うから私のだ。すぐ近くに歯医者がある。授業始まる20分前だったけど、歯医者って30分くらいで終わる？ じゃあ遅刻ですむね、行くね。
2011年07月27日(水)
たくさん人間がいて、みんな病院に入っていってパワーアップして出てくる。気持ち悪いなと思う。
病院のまわりを一輪車で移動してたら小さいオレンジの鳥がいる。かわいい。その小鳥を狸がいじめているので、狸を追い払う。追い払った狸は小さいのと同じオレンジ色の、大きめの鳥になる。大きめの鳥はなお小鳥をつつくので、私は大きめの鳥のくちばしを掴む。すると溶けて消えてしまう鳥。罪悪感。そのまま森にいくと大きい鷹が睨んでくるから一輪車を捨てて逃げた。
コンビニにはまどマギの同人グッズがいっぱい売っていた。緑の子の魔法少女版が可愛かった。
2011年07月31日(日) メモ
公園を飛び回る、黒い獣、全部の名前を覚える、テスト。