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2012年07月12日(木)

 女の子4人がそれぞれ二人組になってプールでボートを漕いでるのを見てる。広いプールだ。一組は大きいところを行ったり来たり上手く漕いでいるけど、もう一組はボートでウォータースライダーの乗り場まで行って、ボートでスライダーをすべり降りたりしていてハラハラする。プールに色とりどりの紙吹雪が飛んできたらみんなボートを降りる。道路は舗装されていなくて、土埃がすごい。景色が黄色い。噴水がいたるところにあって、そこだけ緑色だ。
 うさぎ小屋みたいな家に長老たちが集まっていて、世界の決まりごとについて話している。私たちは土っぽい床に座って、塔をつくる遊びをしている。積み木のおもちゃで、どの色をどの順番に積むかで、どの職種・業界に適性があるかわかるらしい。ひとつつんではははのため、と冗談で合唱しながら積み木した。遠くで吹奏楽部が基礎練している音がしていた。


2012年07月13日(金)

 長い廊下に扉がたくさんくっついていて、それを開くとそれぞれ教室につながっている。班にわかれて掃除する。私ははじめに待機班になったから、廊下の真ん中の広場で、同じく待機版の友だちと『動物のお医者さん』を回し読みしていた。30巻まで読んだところで掃除の時間になった。漫画はまだ半分残っていた。31巻から最終巻の60巻までは、積めばはじめから30巻までの倍以上の高さになる。最後まで読むのは諦めたほうがよさそうだった。
 教室に行くとまず机の上に椅子をのせ、椅子ごと机を後ろに寄せた。床はアメフラシの体液で紺色に濡れていた。箒ではくと透明な結晶が出る。
 次の教室は天井からひたすら雨が降っていた。傘はすぐにボロボロになった。雑巾で必死に机や床を拭く。窓の外に手を伸ばして雑巾を絞った。びちゃびちゃ水を吐き出しながら、雑巾はずいぶんしぼんだ。机の上の水たまりは鏡のように光っていたけど、何も映っていなかった。
 集合のチャイムがなった。階段を降りる。
 わたしたちは集まりきったけれど、他の班はまだのようだった。教卓にシルクハットが逆さにして置いてあった。私たちはそれぞれの楽器を丁寧に片付けた。友だちがトランペットをしまいつつ、透明な下敷きを自慢している。大好きなピアニストにサインしてもらったのだと言う。サインは名前入りだった。書かれた名前を見て初めてその友だちが小学校以来の友だちであると気づいて、泣きそうになった。喉が乾いてしかたないのでチョコレートを食べた。筆箱の中に知らないうちに入っていたのだ。友だちたちにも分けた。すっかり溶けていたけど美味しかった。
 みんなが立ち上がったかと思うと、かき氷の味見に行っていたのだった。発泡スチロールの箱に冷たい氷と水がためてあって、そこにアイスクリームのコーンがたくさん浮いている。それぞれのコーンの中にフルーツやらの乗った色とりどりのかき氷が入っている。騒ぎながら味見する。冷たいし、関節キスだ、とわいわい味見を終え、熱帯魚屋の薄暗い店内に入る。かき氷みたいにカラフルに染められた、幾種類もの魚たちが水槽に泳いでいる。ヒレに色のついたもの、内臓に色のついたもの、目に色のついたもの……。友だちにかき氷決めたと訊かれて我に返る。水槽の横にお婆さんが腰掛けていて、その横にたくさんかき氷が並んでいる。どれも半分溶けていて水っぽい。ソーダにするよと友だちに言ったけど、言った声が自分にも聞こえなかった。
 連結部分のない長い電車で、乗客がつぎつぎ撃たれていく白黒の映像が流れる。夢だったみたいだ。
 目を覚まし、夢のなかで見たのと同じような町に自分がいて驚く。すっかり迷ってしまったねと友だちが言う。私はどうやれば帰れるかを知っていた。夢で見たからと言わずに、別の友だちから聞いたのだと言って、一緒の迷子の友だちの手首を握った。駅のほうに走った。電車の中にはみんなそろっていた。先輩たちへの寄せ書きを書いていた。名前を見てもしらないひとばかりで、何を書けばいいかわからなかった。


2012年07月14日(土) メモ

 窓を割って飛んでくるステゴサウルスのぬいぐるみ、抱き締める、私の部屋に後輩ふたりと家族計画みんなが泊まることになって狭い。


2012年07月17日(火)

 夜中に目が覚めたと思ったらカーテンがやけに光っている。隙間から外をのぞくと空が燃えてるみたいにまだらの赤で、建物も道路も刃物のような銀色だった。非常事態っぽいのに町はとても静か。パソコンを開いて調べても騒がれてないから、そんなものなんだろうと思って寝た。


2012年07月18日(水)

 いくつかの建物を少しずつ巡っている。同じ建物には長い時間いられないらしい。本当に無人の廃墟と、ダンスの練習をしている体育館にだけはいくらでもいられた。私たちの多くは六角形の廃墟に鍵を持って集まった。ひとりは体育館に行って、後輩たちの練習の様子を見ていた。
 体育館の私はステージに上がってスピーチをしていいと言われたのでそうする。でもシューズを持っていなかったため、まち針と縫い針がいっぱい刺さったステージの床が痛かった。受験生だったときの生活について話しながら、もう大学に入学して四年目なのだということにびっくりした。
 別のひとりは道路をこそこそ移動しつつ窓辺の女性の様子を探る。女性はカーテンのない窓辺に立って変な振り付けをしながら「〜をどうしようか、埋めようか」と繰り返し歌っていた。「〜」の部分は名前に聞こえた。ペットでも死んだのだろうと思う。その悲しみで少しおかしいのだろう。好奇心に負けて扉をノックする。腕時計が落ちてくる。扉が開く。女性はとても痩せている。肩までの黒髪。私はペットのものらしい名前を言って、たいへんでしたね、と様子をうかがう。女性はありがとう、ひとつ入りますかと訊いて部屋の奥に入っていく。奥から複数の女性の話し声がする。玄関に戻ってきたときは5人くらいになっていた。女性の掌上に噛んだあとのガムを丸めたみたいな紫のものがあった。試してみます? 当たりとはずれがあるんですが、はずれが続いたんで当たりしか残ってないと思うんです、というようなことを女性は言う。怖くなって逃げようとすると、女性がその謎の紫を飲み込む。とたんに動けなくなって、女性の顔を見つめる。爆発したりしたらどうしようと思う。女性は溶けながら私の首を絞める。人間をひとり殺してしまうようになる薬らしかった。そして私たちは二人組だったようで、片方は逃げ出した。六角形の廃墟に向かう。女性たちはみんな薬を飲んで死に合っただろう。もう片方の私も死んだかもしれない。
 廃墟にはすでに数人がいる。知らないサラリーマンがいて、漫画を借りたけど読む用の鍵が見当たらないのだ落としたのかなと不安げだ。鍵を持ったままにしてた少年が謝りながら漫画のもとに返すと、同じくらいに、雨が降りだした。
 三人でお屋敷の庭にいて、思い思いに歌っていた。ずぶ濡れになって屋敷に入る。玄関の赤いバスタブを避けながら広い部屋に行く。そこには猫と人間がいっぱいいる。ボランティアの女性がやって来て、私たちに魚を配る。いつものように床の上で魚たちをさばく。魚には内臓の代わりに小学生の筆箱などが入っていた。盗品のように思える。小学生の鞄や習い事セットを盗んで、魚にしたものではないのか。そんな疑いもよそに、魚たちは美味しいスープになる。これを飲んで最高の舞台にしましょうと女性が言う。今日の夜が芝居の本番らしく、でも私、脚本をもらっていない、ロシア語のセリフを半日で覚えるなんて、と絶望的な気分だ。